「ヨーロッパ俳優訓練法」をわかりやすくご紹介

全世界から演劇を志す人々が集まるイギリス。ロンドンだけでも、演劇大学や演劇学校の数は日本の10倍以上にのぼります。そこからは日々、優れた演劇人が輩出され、世界中の映像・舞台の現場で活躍しています。

彼らが口を揃えて語るのは「基礎の重要性」です。壁にぶつかったときこそ「基礎に立ち返る」ことが不可欠だと言います。

では、その「基礎」とは何なのでしょうか。彼らはどのような俳優訓練を行なっているのでしょうか。

石井麗子のワークショップでは、ロンドンの演劇大学ローズブラフォード大学(Rose Bruford College)大学院修士課程(MA)でスーザン・メルローズ教授(Dr. Susan Merlose)に師事した経験を基盤としています。さらに、劇団コンプリシテをはじめとする海外ワークショップや、日本の演劇現場で培った実践を融合し、日本人に適した独自のアプローチとして「ヨーロッパの俳優訓練法」をご紹介します。

英語で「演じる」は “Play”。これは「遊ぶ」と同じ言葉です。
本気で遊ぶことによってこそ、俳優は生き生きとその人物の人生を体現することができます。

本ワークショップでは、各テーマに基づいたシアターエクササイズを通して理論を体感し、これまで無意識に行なっていたことを、意識的に扱える「ツール(道具)」として整理していきます。
さらに、そのツールを実際のテキストにどのように応用するかを学び、繰り返し訓練します。

俳優が必要なときに、いつでもその「演技ツール」を引き出しから取り出して使えるようになること。それが本ワークショップの目標です。

日程(終了しました)

2026年2月10日(火)~3月28日(土)
火曜・土曜クラス 各7回
17:30~21:30(4時間)

ワークショップの目的

現代ヨーロッパ俳優訓練法を、理論と実践を通してわかりやすく学び、演劇を楽しみながら「演技ツール」を習得して自己表現を高めることを目的とします。

対象者

プロフェッショナルの俳優、演技経験者、演技初心者
それぞれのレベルに合わせて、丁寧にご指導いたします。

定員

1クラス16名

講師紹介

石井麗子
(月波兎)

私は文学座に所属し、35年以上舞台に立ち続けてきました。
その中でいくつかの素晴らしい転機がありましたが、特に大きかったものは30歳のときに文化庁の在外派遣研究員としてロンドンに留学した経験です。

留学先は、Rose Bruford College大学院(MA)。
演劇に特化した歴史ある学校で、伝統的な演技コースだけでなく、現代ヨーロッパ演技コース、舞台美術や照明、音響、舞台監督コースと、舞台づくりに関わるあらゆる分野を学ぶことができる環境でした。

私が在籍したMAコースにはイギリスだけでなく、ノルウェー・スペイン・オーストラリア・中国など、さまざまな国からすでにプロとして活動している俳優やスタッフがさらなる研鑽のために集まっていて、毎日がとても刺激的でした。私はそこで、フィジカルシアター研究を牽引するSusan Melrose教授に師事し、1年間で10本以上の舞台を企画・上演するという、濃密な創作の日々を過ごしました。また、学外では劇団コンプリシテのワークショップに参加するなど学びを広げ、帰国後も仕事の合間にロンドンに通い続け、通算で約10年にわたって現地での学びを深めました。

そうした経験の中で強く感じたのは、「演技の技術」を感覚的なものにとどめず、再現可能な「ツール(道具)」として具体的に習得することの重要性。そのツールを持っていることで、どんな現場でも自分の力を発揮できる――そんな実感がありました。

2009年に帰国して以降は、文学座での活動に加え、多様な演劇メソッドを基盤に活躍する日本の優れた演劇人たちと協働しながら自身の学びを深め続けるとともに、次世代の俳優育成にも力を注いでおります。

主な教育歴

・2009年~2015年 有明教育芸術短期大学 芸術コース 非常勤講師
・2021年~現在 玉川大学芸術学部 演劇・舞踊学科 非常勤講師